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- 2017.09.18 Monday
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本栖湖スポーツセンターでカレーを食べている間はずっと身体が
震えていた。ランナーにしては太めな僕が、芯から冷えてしまう
なんてあまり考えられないこと。今回の下着はFinetrackの
ノースリーブとモンベルGeolineの長袖。それでも汗による
冷えは防げませんでした。
カレーが妙に小ジャレれていて、少し辛くて美味しいのですが、
走ってきた身体には刺激的過ぎました。かなり贅沢なお願いに
なりますが、バーモント甘口で十分かと思いました。
カレー小盛、味噌汁2杯、コーヒー1杯、コーラやアクエリアス、
そしてカントリーマアム2個を補給。暖かいものが嬉しいです。
本栖湖スポーツセンターでは福田立花先生に再会。テガバーズの
DHエリックさんのお話をすると、すごくやさしい兄貴のような顔で
DHエリックさんの病気の心配をされていました。走りたいのに
走れなくてガマンしている人もたくさんいるんですよね。
NSIのNorioさんともここで初めて会いました。寝ずに
歩いてフィニッシュを目指すとのことでした。
そしてボランティアの方にマッサージして頂いて眠りにつきました。
とりあえず寝てから考えよう。ビバークシートを使って寝ている
ランナーもいましたが、0250僕はそのまま寝てしまいました。
0450起床。0500が本栖湖スポーツセンターの制限時間です。
トイレを済ませて、味噌汁とバナナを補給していると、UTMF組の
木村克己(キムカツ)さんもスタートするタイミングでした。
キムカツさんには1/14にシルベストでナチュラルランニングの
講習会をして頂き、僕はその時に鎖骨を折ってしまったんです。
怪我を心配して下さりました。
キムカツさんを見送るとすぐに聞き覚えのある女性の声!
「ニシサーン!」 耳を疑いました。天子山塊の中で嘔吐を
繰り返していたひろみんが何と制限時間20分前に本栖湖に
到着していたのです。元気に手を振って近寄ってきました。
ひろみんは宮古島でも途中で死にそうになりながら、
フィニッシュしたツワモノ。とはいえ、今回はリタイヤするだろうと
思ってました。
ひろみんに見送ってもらう形で、固い握手を交わし、
僕は本栖湖を後にしました。
本栖湖を出発するとびっくりするようなキレイなトレイルを
走らせてもらえます。石に苔が生していて、新緑との
ハーモニーが何とも美しい。仮眠をとったせいか頭も
すっきりしていて、0200過ぎにあのまま走り続けていたら
こんなに気持ちのいいランニングはできなかったと思えるほど、
意識がしっかりしていました。
登りは歩き、平地と下りは走って進みます。
その後のロード区間を終えて、0707鳴沢氷穴ウォーターエイド
ステーション着。昨夜がトラウマとなり、ついハイドレを満タンに
してしまいます。ここでナムカタさんと連絡を取ると何とすでに
河口湖畔を前進中。本栖湖で休まないで進んだとのこと。
そして両親にも予想到着時刻を連絡。
昨夜のことを思えば、大抵のことは大したことなく感じますが、
紅葉台(1,164m)、三湖台(1,202m)、五湖台(1,355m)と、
まだまだアップダウンが続きます。最後の最後まで楽しませて
くれます。
1,000m以上の尾根を走っているということは、それだけ
長い下りが待っているわけですが、この段階になると
後のことをアレコレ考えることなく、足下の一歩一歩に
集中することができました。
河口湖畔に出ると平地4kmでフィニッシュです。脚は
残っていたので、悔いが残らないよう5'00"/kmくらいで
頑張りました。トップランナーかのように沿道に手を振り、
有名人かのように追い越していくランナーに声を掛けます。
以前ブログにコメント下さったELBさんも手を振ってくれました。
http://ameblo.jp/elb/
「富士山サイコー!」と優勝者のように叫びながらフィニッシュ!
23時間58分14秒。
フィニッシュゲートでは、鏑木さん、みぞさん、ナムカタさん、
そして両親に迎えて頂きました。そして僕の1時間後にひろみんが
走って戻ってきたことのこと。あの状態からフィニッシュするとは
すごすぎる・・・
グダグダと長い日記になってしまいましたが、STYに出場できて
本当に良かったです。
大会関係者、ボランティア、今回出場したランナー、ネットで
応援してくれた仲間、沿道の応援、そして家族の応援。
皆さんにお礼を言いたいです。ありがとうございました!!
STYレース中盤の天子山塊。聞きしに勝る壮絶なルートでした。
西富士中を出発したのが1400で、次のエイドステーションである
本栖湖スポーツセンターに到着したのが翌0200。
登りもきつかった。水がなくなったのもきつかった。泥ですべる
下りで何度も転んでめげた。だけど一番きつかったのは、いつに
なったらこの困難から逃れられるかのメドが立たないことでした。
天子山塊に入るとまず天子ヶ岳(1,330m)まで5kmほど登ります。
その後は熊森山(1,574m)まで緩いアップダウンが続きます。
ここまでで中盤27kmの約半分の距離。西富士中から約4時間。
500mlの水を配給されて喜んだのも束の間、この時点であと半分と
思い込んでしまったのが、このレースを辛くさせた一番の要因でした。
熊森山を過ぎると、つまり1800過ぎになると急に気温が
下がります。体感温度で5℃以下。走っていても寒いので、
コロンビアオムニテックのカッパを着込みました。虎の子の
シーチキン巻きはこの辺りで補給。おおげさではなく、
普段ごはんを食べられるありがたさを感じます。
この時点でひろみんとは抜きつ抜かれつ、ナムカタさんは
僕らのやや後ろを走っていました。この辺りでH川さんを発見。
僕がSTYを走るきっかけとなった横山峰弘さんのTNFトレラン
クリニックでお世話になった方です。H川さんともこの辺りでは
抜きつ抜かれつ。
その後ひろみんが胃腸をやられたのが2200くらいだったか。
シルトラ掲示板やメール、fbookやTwitterなどで仲間が
応援してくれているものの、そこからは一人旅で完全に
気持ちが切れてしまいました。
西富士中から本栖湖まで27km。距離で半分の熊森山まで
西富士中から4時間。となると単純計算で2200までには
本栖湖に着くことになります。その計算は余りにも乱暴ですが、
それにしたって2400までには着くだろうと根拠のない
期待だけで歩きました。
それでもなかなか着きません。大きな下りが続くとそろそろかなと
思うのですが、何度も何度も登り返しに合わされるのです。脚よりも
気持ちがめげてきます。
このコースのすごいところは最初から最後まで下界(日常的空間)
との接触がないことも挙げられると思います。お金を持っていても
何の役にも立たず、純粋にトレイルと対峙せざるをえません。
リタイヤするにしても次のポイントまで行くしかないんです。
雨ヶ岳(1,771m)を降りる頃には、本栖湖に着いたら
リタイヤしよう、ここまで頑張った自分を許してあげようと
思って歩き続けました。
降りると言っても、足場が極端に悪く木を掴みながらでも
トレランシューズがすべるくらい。事後だから言えますが、
何度も尻餅ついたり転んでしまい、左肩を心配しながら
進みました。
そしてまた登り返し。
どうせリタイヤなんだからタイムはどうでもいい。とにかく
安全に本栖湖に辿りつく事だけ考えよう。そして登りの
途中で少しでも疲れたら3-5分程度の休憩を摂って
進むことにしました。
ところが止まって休んでいると急激に身体が冷えてきます。
2400も過ぎると眠気も出てきます。水は毛無山(1,945m)
あたりで切れて久しいです。
どうしようもなくなり、あるポイントでスタッフの方に
湧き水でも近くにないですかと聞いたところ、近くを
走っていたランナーに200mlほどの水を分けて頂きました。
とても恥ずかしいことです。お名前を聞く間もなく、その方は
立ち去って行かれました。ちょっとくらいトライアスロンを
やっていても、僕はここでは初心者以外の何者でもないです。
竜ヶ岳(1,485m)からは駿河湾が見えましたが、正直もう
景色のことに頭が回りません。夜景がキレイとか言ってる
場合ではありませんでした。とにかく本栖湖に着いたら、
カレーを食べて寝よう。頭はそのことだけ。
携帯電話は電波が繋がったり繋がらなかったり。
皆さんからの熱いメッセージの中に、マルイさんからの
ふざけた絵が入った(和ませようとした)LINEメール。
「にしさ~ん、苦しんでる?でも楽しいやろ?
1月に鎖骨折ったときと比べたら、今最高やで!
もうひとふんばり。楽しんだもん勝ち!」
救われました。
ようやく辿りついた本栖湖でカレー食べて寝ることにしました。
野戦病院化した本栖湖スポーツセンターにて仮眠。
無事UTMF(STY)が終わりました。束の間の夢のような時間でした。
備忘録のためにもしっかり振り返っておきたいと思います。
UTMFはスタートが河口湖で金曜日1500。僕が出場した
STYのスタートは富士山こどもの国で土曜日1000。
今回僕は静岡の両親にサポートをお願いしており、金曜日に
大阪で仕事を終えてから静岡に入ることができました。
土曜日の朝は両親にこどもの国まで送ってもらい、皆さんと合流。
こんなわがままできるのも、両親が元気でいてくれるからこそ。
ちょっと恥ずかしいですが、親子3人の写真もパチリ。
ありがとうございます。
UTMF参加者が800人なのに対し、STYは1,200人。
大きなマラソン大会もエネルギッシュでいいけれど、
1,000人未満の大会の方が、僕はアットホームで好きです。
そして今回は仮装ゼロ。イヤホンで音楽聴いてる方も
2-3人しか見かけず。ガチンコ感が堪りません。
一緒に写真を撮ったみぞさん、ナムカタさん、ひろみん、
栗さんに加え、Norioさん、ngさん(初めまして)たちと
健闘を誓い合います。
それにしても空が青くて、富士山がキレイで、どんなに
素敵なレースになるだろうと、レース前はポジティブ一色でした。
レース30分前になると開会式が始まりました。レースダイレクターの
鏑木さんは来られませんでしたが、あの三浦雄一郎さんが
応援のご挨拶をして下さりました。
霊峰富士の修験道には長い歴史があり、そのスピリットは
僕らも受け継いでいると。とても80歳を過ぎてるようには
見えません。熱いです!
三浦雄一郎さんに会えた喜びでみぞさんもこの笑顔。
みぞさんのサングラス姿はなかなかレアですよ(笑)。
そして思い立ったら即行動!みぞさんの行動力には
いつも圧倒されます。開会式の裏手でパチリ。
同じタイミングで福田立花先生ともお会いできたのですが、
残念ながらお忙しそうでした(が、その後一番苦しいところで
応援して頂けました)。
とても和やかなムードの中、カウントダウンをしてスタート!
長い長い、とても長いレースの始まりです。序盤の下りで
脚を使ってしまうと中盤の天子山塊で痛い目に遭うとは
わかっていたものの、勝手に脚が動いてしまいます。
18km地点の北山ウォーターエイドステーションまでは、
6'00"/km程度のペースで、なんとみぞさんの前を行く展開。
少しまずいと思ってここから28km地点の西富士中学校
までは、歩きを交えることにしました。みぞさんに
パスされたのは20km地点くらいかな。みぞさんは極めて
軽やかに走っていきました。
この時間、つまり土曜日1200くらいは暑さにやられます。
半袖ジャージ+サングラス+サンバイザーでも熱中症に
なりそうなくらい。西富士中学校手前のトイレで水を被って
事なきを得たような状況。
そして西富士中学校へ。かため麺の富士宮焼きそばと
西富士中48(三好礼子さんの写真を拝借)が待っていて
くれました。とりあえず女子中学生にハイタッチしてから、
両親のもとへ(笑)。
まずはハイドレに水を満タンにしてもらい、焼きそば食べて、
両親からは着替えとおにぎり、そしてジェルを補給。
その間に、ナムカタさんとひろみんと合流できたので、
3人で一緒に再出発することに。この時点でもまだまだ
元気でした。
がしかし、天子山塊に入ると状況は一変。ここからが
本当のレースのスタートでした。
奥熊野ウルトラは、すばらしいレースだった。
今回のエントリーは60km/75km/100km合わせて400人。
おそらくすぐに1,000人以上の大会になると思う。四万十と
比べても、景色やホスピタリティで遜色がない。むしろレース
攻略的には、奥熊野の方がリピータ向きかもしれない。
こんなにすばらしいレースで、初めての100kmを走り終えたのに、
達成感よりも悔しさで一杯なのは、良いことなのか悪いことなのか。
ちょっと調子に乗ってるのかもしれないけれど、また次を目指して
走り始めようと思う。
今回のレースを開催して下さった実行委員会の皆さん、
エイドステーションでサポートして下さったボランティアの皆さん、
一緒に励まし合いながら走って下さった皆さん
(特に#92 K田さん、#230 F野さん、#113 I田さん)、
シルベストの仲間を始めとして応援して下さった皆さん、
大変お世話になりました。ありがとうございました!
PS
I田さん、モンブランへの挑戦頑張って!
20km地点から44km地点までが、今回のレースでは
一番気持ちよく走れた区間かもしれない。
熊野の山々はとても魅力的。
ガーミンのデータはこちら。
http://connect.garmin.com/player/81386257
ところが44km地点からの登りで消耗し始める。
さらに52km地点からの登りでさらに消耗が進む。
50km地点で4時間45分
60km地点で5時間57分
70km地点で7時間07分
70km地点では、ペースがダウンしながらも、余裕で11時間は
切れると思っていた。
80km地点で8時間21分
何とか走り続けて辿りついた80km地点。攣ってはいないが、
もう脚が売り切れ。84km地点からダラダラと9kmの登り。
ここで完全にキモチが折れた。これではまるで登山か、
歩こう会。情けないけど走れない。
90km地点で10時間02分
サブ10は無理、サブ11も無理。こうなると、脚を痛めない程度に
完走することが目標に。
僕はレースではなるべく声をかけるようにしている。
キモチよく挨拶してくれる人、イヤホンで自分の世界で
走っている人、走るリズムを合わせようとする人、
おしゃべりを楽しんでくれる人、みんなそれぞれ。
その中でも僕が魅力的と感じるのは、レース経験豊富なランナーと
併走させて頂くと、皆さん決まって「マイペースで行きましょう」
とおっしゃること。
長いレースのほんの一瞬の時間なのだけれど、同じ空間を共有し、
(大抵の場合はすごく気が合うにも関わらず)そしてあっさりと別れる。
同じ趣味を持っていて、同じレースに出ていて、同じフィニッシュ
ラインに向かっているのに、お互いを尊重して別行動。ここに
美学を感じる。